PS4で発売された『閃乱カグラ』シリーズ7作目『閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH』。
略称は『閃乱カグラ PBS』だが、巷では『イカ臭いスプラトゥーン』やら『スケベトゥーン』と呼ばれているとかいないとか。
これが意外と楽しめて良作だったので、今回はそのレビューや評価、感想を書いていこうと思う。

やり込み度合はこんな感じ。
シングルスプラッシュ(メインストーリー)、パラダイスエピソード(サブストーリー)は全てクリアし、イラストとムービーもコンプリート。
Vロードチャレンジ(大会)は難しくて、4カップ中2カップまで制覇して諦めた...
発売日 | 2017年3月16日 |
ハード | PS4 |
発売元 | マーベラス |
ジャンル | TPS |
売上 | 初週6.4万本 |
クリア時間 | 5時間(メインストーリーのみ) |
筆者プレイ時間 | 15時間 |
良い点
大味だからこそ遊びやすいシューティング

本作は従来シリーズの剣撃アクションからガラッと変え、水着の女の子同士で水鉄砲を撃ち合うシューティングゲームに。
基本的には、画面に表示される枠の中に敵が入れば自動で照準を合わせてくれる。オートエイムだ。
バリアを貼ったり強力な攻撃を発動したりできるスキルも、とりあえずチャージ完了したら使っておけばオーケー。移動もリロードも速い。
だから銃撃ゲームによくあるような、Rスティックで狙いを定めて撃ち取ったり、ステージや武器の特性を覚えて戦略を立てたりする面白さはなく、非常に大味な作りである。
しかし、大味ゆえに何も考えなくても本能や感覚のままに遊べるので、女の子に向けて水鉄砲を撃ちまくるのが楽しいことこの上ない。
シューティング自体そこまで得意でない人や、僕のようにあまりエイムに自信がない人でもライトに楽しめる。
一方で手動照準にも切り替えられるので、「FPSやめられないんだけどwww」なシューティング上級者でもエイム力が劣る心配もない。
こだわりの強い過激表現
本作のCEROは「D」、すなわち17歳以上"対象"であり、小学生でも店頭で堂々と買うことができる。
だが、水鉄砲を喰らいすぎてHPがなくなるとビキニが破裂し、バストやヒップが飛び出す。
家庭用ゲームでは度が過ぎるほどのお色気だ。
さらには、水着の濡れや透けの表現にも強いこだわりが感じられ、キャラクターの衣装チェンジができる「更衣室」では下着の形まで指定できるほど。パイタッチや水BUKKAKEなどのお遊びもやりたい放題だ。
また、制服スカートやワンピースを着たキャラクターを使用中、カメラを下に向ければ容易に楽園を覗くこともできるのだが、
あくまでも下に履いているのは”水着”なので”パンチラ”にはならない。
これに関しても、上手いこと規制を避けて頑張っているなぁと感心してしまった。
衣装のバラエティが豊富
本作は更衣室でお気に入りのキャラクターに色んな衣装を着せて、疑似コスプレ大会を開催するだけでも楽しい。
取り揃えている衣装は普通のビキニやスクール水着だけでなく、制服や体操着、透け透けTシャツにワンピース、裸エプロンから各キャラクターの私服。
なかには、女性用ブリーフとかいうマニアックなモノまで...
閃乱カグラのスタッフには本物の変態が何人も居る。
フルボイス
本作は戦闘ボイスだけでなく、メインストーリーやサブストーリーまでフルボイス。メニュー画面でさえバリエーション様々なボイスが聴けた。
キャスト陣はアニメ・声優好きなら知っていて当たり前のような名前ばかりで、それも沢山。かなり予算が割かれている(=力が入っている)ことが伺える。
気になる点
ストーリーの中身が空っぽ

『閃乱カグラ』シリーズは毎度そうだが、今作のストーリーはとくに内容が阿保らしくて単調である(ストーリーの合間に入るミッションも、敵殲滅 or 消火活動の2パターン)。
しかもシリーズを一通りプレイしてなければ、それって何の話?何だこのキャラ?…となる。一見さんはお断り、水鉄砲だけ撃っとけという感じだ。
だが、本作にストーリーを求めて買う人は居ないだろうし、僕も期待などしてなかった。
それにお色気メインのゲームはこれくらい緩々のストーリーでバランス良いのだ。大きなマイナスではない。
ただ、ちゃんと飛ばさずに全部読んだので、微塵も面白くなくて辛かったと文句の一つくらいは垂らしたい。
やられた時の演出が長い

敵を倒すたびに、または自分が一定のダメージを受けるたびに「やられた…」と倒れる演出が入るのだが、5秒くらい待たされるのでゲームテンポが崩れる。
くわえて演出が入る間も制限時間は進み続けるから、敵に囲まれたりして白熱していると一気に萎えてしまう。
最初はこんなえっちな演出が…と新鮮な気持ちだったが、慣れるうちにイライラの方が勝ってくる。
×ボタンを押せばスキップはできる。
しかし、いちいち敵を倒すたびに押すのも面倒だし、ちょっとは対戦が止まってどの道テンポが崩れるのだ。
また、敵をやっつけたご褒美である「くねくねフィニッシュ」の最中も、制限時間は止まらないという...
くねくねフィニッシュさえやらなければ勝てた戦いもあった。本気で勝利を狙いにいく際は、時間をドブへと捨てさせるトラップにもなりうる。
やられた時の演出然り、ゲームを真剣に遊ぼうとするほどご褒美がご褒美でなくなるのは、個人的に一番の不満点だった。
キャラクター全員モーションや能力がほぼ同じ
水鉄砲撃つ時も、やられた時も、くねくねフィニッシュ時も、基本的には全キャラクターのモーションが統一(くねくねフィニッシュは衣装まで純白のビキニで統一)。
キャラの個性が発揮される個別モーションは、PBSのルール上タブーとされる近接攻撃のみ。
個性もお胸も豊かなキャラクターたちが売りで、ビジュアルや性格など設定上のキャラ分けが完璧に出来ているからこそ、ゲーム上のキャラ分けが貧弱なのはどうしても気になった。
結局、どのキャラクターを使っても性能に変わりはなく、武器やスキル等のデッキ編成・レベル上げで勝敗が別れるゆえ、ゲーム性がやや単調に感じられる。
途方もないガチャ要素とレベル上げの作業感

そしてその勝敗を分かつ武器やスキル等のデッキカードは、ストーリーや大会のクリア報酬か、購買部(ショップ)で買うかしてゲットできるのだが、完全にランダムである。
強いカードが出るかは運と根性。何百枚とあるカードをコンプリートしようなんて考えたら、途方もない道を歩み始めることになる。
ダブったカードはキャラやカードのレベル上げ用として自動的に振り分けられる。
これは有難いが、キャラ1人のレベルを上げるにも何百枚というカードを必要とされ、デッキを一通り構築するにはもっともっと必要になる。
もちろんストーリーを一通りクリアするだけでは、大会をすべて制覇できるくらいまで育成は進まず、レベル上げのためにボス戦やマルチプレイの周回が強いられる。
キャラ10人のレベルをMAXまで上げろだとか、武器のレベルを全てカンストさせろなどのトロフィーがあるけれど、これ以上のレベル上げは作業だと感じた。
だから大会の制覇は4カップ中2カップで諦めた。
百歩譲ってガチャ要素は残すとして、キャラやカードのレベルがもっと簡単にカンストするようにして欲しかった。
『閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH』レビューまとめ
ステージ設計やゲームバランスなど、どこを取ってもアクションシューティングとしての完成度は『スプラトゥーン』と雲泥の差。
しかし、カジュアルTPSとしては十分に良作の域で、攻めすぎているお色気も良いけれど、水鉄砲をひたすらブッパするのが楽しい。
最初は数時間プレイして辞めるつもりだったが、気が付けば15時間以上遊んでいた。
お色気好きやシューティング初心者は大歓迎で、夏場に男友達と集まって遊びたいようなゲームである。
こういうゲームがあっても良い。
ちなみに、ストーリーモードのラスボスは完全に『スプラトゥーン』の”アイツ”でした...