©魚豊/小学館/チ。 ー地球の運動についてー製作委員会
◆ 知を求める人々の結末に、衝撃と考察の嵐
2024年春アニメの中でも異彩を放った『チ。―地球の運動について―』。
15世紀の宗教支配下にあったヨーロッパを舞台に、「地動説」に魅せられた人々の数奇な運命を描いた本作は、その重厚なテーマと息詰まる展開で高い評価を受けました。
しかし、そんな『チ。』の最終回(第13話)が放送されるやいなや、SNSやレビューサイトでは賛否両論が巻き起こります。
「感動した」「魂が震えた」という声がある一方で、「ひどい」「救いがなさすぎる」と否定的な意見も多数寄せられたのです。
この記事では、そんな最終回がなぜ物議を醸したのかを徹底分析。
肯定派・否定派の声をもとに、“あの結末”に込められたメッセージに迫ります。
◆ 最終回のあらすじ(※ネタバレあり)
©魚豊/小学館/チ。 ー地球の運動についてー製作委員会
物語は、ラファウという青年の視点で展開されます。
彼は表向きは教会側の人間でありながら、裏では命がけで「地球は動いている」という思想を守り抜こうとする人物。
しかし彼の選択と行動は、やがて大きな悲劇へとつながります。
ラストシーンでは、かつての「知を継ぐ者たち」の志が時間を超えて受け継がれていき、最終的に“あの人物”へとバトンが渡される――そんな形で幕を閉じました。
◆ 肯定的な評価:「知」の尊さを描ききったラスト
©魚豊/小学館/チ。 ー地球の運動についてー製作委員会
まずは最終回を肯定的に捉える声から見ていきましょう。
■「信念を貫いた者たちの魂が、美しく響いた」
肯定派の多くが語るのは、「現実の厳しさを描きながらも、そこに一筋の希望を感じられた」という点です。
地動説という“異端”に命をかけた登場人物たちが、たとえ報われなかったとしても、その生き様が“次の誰か”に届いていた──。この構造に感動する声が相次ぎました。
特に印象的なのは、ラストでコペルニクスの名が登場する演出。
これにより、物語がただのフィクションではなく、現実の歴史と地続きであることを示唆し、「すべてが繋がった!」というカタルシスを得たファンも多かったようです。
■「抽象的だからこそ、考えさせられた」
また、最終回があえて明確な結末を描かず、読者に解釈を委ねる構成であったことも高評価の理由に挙げられています。
「スッキリしないけど、それがこの作品らしい」
「“正解”を出さないラストが、逆に心に残る」
という声もあり、作品全体に通底する“考えることの尊さ”が最後まで貫かれていたと評価されています。
◆ 否定的な声:「救いがなさすぎる」「唐突な終わり方だった」
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一方、最終回に対して否定的な声も少なくありません。
■「キャラの最期が辛すぎる」「報われてほしかった」
本作では、知の探求に命をかけた登場人物たちが次々と非業の死を遂げていきます。
特に、最終章で中心となるラファウの選択と結末については、視聴者から「救いがない」「残酷すぎる」との声が目立ちました。
ラファウは信念を貫いた人物でありながらも、その選択は周囲を裏切る形に見え、さらには彼自身が報われることもなかったため、「結局何がしたかったのか分からない」「感情移入できなかった」といった意見に繋がったようです。
■「エピローグがなさすぎる」「余韻がない」
また、物語の締めくくり方に関しても不満を抱く視聴者が多くいました。
「突然終わったように感じた」
「登場人物の“その後”がまったく描かれていないのが物足りない」
「歴史と地続きなのは分かるけど、アニメとしては説明不足」
といった声がSNSやレビューサイトに多数見られました。
「もっとコペルニクス以降の描写や、登場人物たちが後世にどのように影響を与えたのかを描いてほしかった」という“エピローグ不足”への指摘は非常に多く、それが「物語としての消化不良感」に繋がったようです。
◆ なぜここまで評価が分かれたのか?
©魚豊/小学館/チ。 ー地球の運動についてー製作委員会
この最終回が賛否両論となった最大の要因は、「物語としてのカタルシスを排除した終わり方」にあると考えられます。
視聴者の多くは、あれほど過酷な運命を生き抜いた登場人物たちに、最後に何らかの“報い”や“救い”があることを無意識に期待していたのかもしれません。
しかし、現実の歴史をベースにした本作では、そのような“フィクション的ご褒美”は描かれず、むしろ「どれだけ犠牲があっても、未来に知が受け継がれていく」ことにフォーカスが置かれていました。
この“突き放すような終わり方”が、
- 一部の視聴者には「深い」「考えさせられる」と響き、
- 別の視聴者には「冷たい」「モヤモヤする」と感じられた、
というわけです。
◆ 『チ。』の最終回が残したもの —— あなたはどう感じた?
『チ。』の最終回は、明確なハッピーエンドでもなければ、全員が納得するエンディングでもありませんでした。
しかし、それこそが本作の持つ“哲学性”であり、「考えることを止めない姿勢」の象徴とも言えるのではないでしょうか。
感動した人も、モヤモヤした人も――
一つの結末を前にして、これほどまでに多くの人が語りたくなるというのは、アニメとして極めて珍しく、そして価値のあることです。
あなたはこの最終回をどう受け取りましたか?
コメント欄で、ぜひあなたの“解釈”を教えてください。
©魚豊/小学館/チ。 ー地球の運動についてー製作委員会
他にも「チ。 ー地球の運動についてー」の考察記事を書いてますので興味がありましたら是非読んでみてください。