ガンダムジークアクス3話感想・考察・解説!マヴの本当の意味とは?【機動戦士ガンダムGQuuuuuuX】

gato

皆々様こんにちは。

『機動戦士ガンダムGUuuuuuuX(以下『ジークアクス』)』担当のgatoです。

前回は赤い彗星の軌跡とシャリアとの出会いが描かれ、『1st』のオマージュもたくさんありました。

そして今回は再びアマテとニャアンが登場、クラバ(クランバトル)に関わっていく姿が描かれます。

今回はいよいよキーパーソンとなるシュウジが登場するようですね…。

何があったのかじっくり振り返りましょう。

シャリアの暗躍

© 創通・サンライズ

アマテがマチュとしてクランバトルにデビューする一方、今回はシャリアが軍警に囚われたエグザベを救出する過程が描かれました。

囚われのエグザベ

© 創通・サンライズ

第1話でクアックス(ジークアクス)に乗って赤いガンダムと交戦したものの、確保に失敗して軍警に捕まったエグザベ。

取り調べの場面では顔に痣があるなど、結構乱暴に扱われたことを窺わせます。

個人的に興味があったのは、彼の経歴ですね。

フラナガンスクールの首席であり、エリート街道を通ってきた印象のあるエグザベですが、実際はルウムの難民の出身とのこと。

つまり、境遇はどちらかというとニャアンの方に近いわけです。

おまけにルウム=サイド5といえば、1年戦争でルウム戦役によって凄惨な被害を受けた場所として有名です。

エグザベの過去はまだ具体的に描かれてはいないものの、場合によっては彼はジオンの被害者である可能性もあるわけですからね。

彼がどういう経緯で今の地位まで上り詰めたのかは気になるところです。

それにしても、エグザベが捕まったのにソドンのクルーたちはジークアクスの心配と保身を優先していたところはちょっと笑えましたね(笑)

まぁ一パイロットの心配よりも、政治的な駆け引きを優先するのはある意味軍人として正しい判断でしょうけど、フラナガンスクール首席でもニュータイプの扱われ方はそこまで良い感じではなさそうです。

強権行使

© 創通・サンライズ

エグザベを救出するため、シャリアがとった行動はソドンで堂々とサイド6に進入し、圧力をかけるというものでした。

「コロニー内の管制空域はジオンの管理下」という地位協定を盾に、サイド6の介入を抑えつつも、ミノフスキー粒子を撒かないことで軍事行為という認定を避ける。

いうなれば国境線付近を軍艦でウロウロするような、かなりグレーゾーン…というより、半分挑発行為といってもいいような作戦です。

紳士的な印象のあるシャリアですが、穏やかな表情で強引な手口を使う大胆さが垣間見えますね。

一方で、わざわざドラッグストアで絆創膏を買ってあげるなど、エグザベを気遣う優しい一面も見せました。

まあ、エグザベがケガをしているとわかっているような行動を取っているあたり、流石ニュータイプというべきか(多少手荒に扱われる程度は予測していたのでしょうが)…。

シャリアとカムラン

© 創通・サンライズ

シャリアがエグザベを救出するうえで、手を借りたのがカムランです。

『The Beginning』でも登場したカムランですが、元々は『1st』で登場するミライ・ヤシマの婚約者であり、サイド6の監察官でしたが、今作では首席補佐官として登場しています。

『逆襲のシャア』でもちょっと登場して活躍するカムランですが、今作ではシャリアと面識があり、政治的な駆け引きがうまい人物として描かれているようです。

2人のやり取りを見ていると、どうやらシャアに関する案件は地位協定の適用外であり、ジオンに優先権があるとのこと。

つまりシャリアはジオンに優先権がある事案であることを示し、サイド6の介入を牽制しつつ、彼らの主権を脅かさないためにも穏便にエグザベを返還させる腹積もりだったわけです。

ここからわかるのは、シャリアはちゃんとエグザベの救出を優先する行動を取ったこと。

エグザベに散々無茶振りをしておきながら、なんやかんやで部下想いなことが窺えます。

そしてカムランが懸念していることから、ジオンと各サイドのコロニーの関係は過去の経緯もあって(ジオンによるコロニー占領)、未だに緊張感が残っているということ。

劇場版の記事でも触れた「17バンチ事件」は、恐らくジオンとコロニーの間に起こった紛争であり、少なくともタブー視するレベルで被害があった事件であることを示していますね。

ガンダムGQuuuuuuX The Beginning 感想・考察・解説!シャアは並行世界に行った?【機動戦士ガンダムジークアクス】
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だからこそ、シャリアはエグザベの入港チケットを偽造し、「外部から無断で侵入したのではなく、あくまで普通に入国してトラブルが発生した」という形にしたのでしょう。

つまり、サイド6の主権をジオンが一方的に脅かす軍事行動を取ったのではないという証拠をちゃんと作っていたというわけです。

他方で、個人的に印象的だったのが、1年戦争から脱却しようとしているかのようなカムランのセリフでした。

「まだ赤い彗星に振り回されているのか」「まだソドンは現役なのか」と、カムランは1年戦争で活躍した兵器をすでに過去の遺物として扱っているような発言が見られました。

第1話でエグザベから「今も戦争をしているつもりなのか」と評されたシャリアとは対照的であることがわかります。

シャリアもカムランのセリフにどこか引っ掛かりを覚えているような描写もありましたし、まだ1年戦争から抜け出せられていないシャリアの孤独が垣間見えますね。

キラキラを追って

© 創通・サンライズ

ここでは運命的な再会を果たしたマチュ、ニャアン、そして突如現れたシュウジの出会いについて触れてみましょう。

退屈な家庭

© 創通・サンライズ

前半ではマチュことアマテの家での様子が描かれましたが…なんというか悪い意味で普通ですね。

なんというか、退屈さを感じるような、退廃的な普通というか。

「周りの子と同じように」というタマキ(母)の一方的なイメージで、わざわざ遠い塾に行かされるほど勉強を優先させられ、バイトもできず、門限もある。

もちろん、タマキは毒親ではないようですし、良くも悪くもマチュは平和な日常を過ごしています。

しかし、その退屈なまでの普通な日常が、マチュにとっては居心地が悪いのでしょう。

第1話のモノローグも踏まえて、若干憶測で書きますが、恐らく外では戦争だのなんだので世界が大きく動いているのに、自分は偽物の空と大地に囲まれて、退屈な日常を送っている。

激しく変動する外に対し、自分は退屈で上っ面だけのようなコロニーの中で生きている。

そのギャップが、第1話の記事でも触れた彼女のエキセントリックな言動の源かもしれません。

ガンダムジークアクス1話感想・考察・解説!アマテは自由になりたい?【機動戦士ガンダムGQuuuuuuX】
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そんな彼女の本質を見抜いていたからこそ、アンキーはマチュがクランバトルに参加すると感じたのでしょうね。

ところで、シャリアとカムランが接触する場面にもいたところからわかるように、タマキはサイド6の高官的なポジションのようですね。

夫は別のコロニーで単身赴任のようですが、タマキの職業を踏まえると、マチュはそれなりに裕福な家庭環境のようです。

追いつめられた彼女には

© 創通・サンライズ

今回も登場したニャアンですが、非合法な仕事をしている一方で、不器用さや容量の悪さが垣間見えましたね。

暴力を振るわれるうえに、取引相手にはきつく当たられ、おまけにマチュとシュウジのせいで取引は失敗しかけ…。

ここまで不運だと不憫すぎて心配になります(笑)

また、彼女が乗っていた自転車は錆だらけなうえに防犯登録が剥がされていました。

明らかに盗品を使っているのが窺い知れますね。

一方で、個人的にはシュウジがニャアンのにおいをかいでから赤いガンダムの元へ案内した描写が気になりましたね。

シュウジはマチュのにおいをかいでから、ジークアクスと思しき白いマークをグラフィティに書き足していました。

後述しますが、シュウジにおいて「においをかぐ」という行為は彼のニュータイプの片鱗を示すものかと思いますが、だとしたら彼はニャアンに何を感じたのでしょうね。

MS越しとはいえ、実際に遭遇しているマチュと違い、ニャアンはあの場では完全に初対面のはず。

すでにニュータイプ的な素養のおかげで惹かれ合っていたマチュとは別の要因でニャアンに「何か」を感じたと捉えられるでしょう。

正直、ニャアンにある「特別性」が何かはまだ皆目見当もつきませんが、少なくともシュウジはニャアンが赤いガンダムと対面する資格がある人物と見なしたことは間違いないと思われます。

不思議な少年

© 創通・サンライズ

さて、ようやく登場したシュウジですが、個人的に2つの点が気になりました。

まずは先述したようにシュウジは「におい」で相手の本質を嗅ぎ当てるような行動を取っていた点です。

マチュがある種直感で本質を見抜く(ピキーン!ですね)のとは、異なる描かれ方をしていたのが印象的ですね。

あの描写を見ていると、シュウジとマチュのニュータイプの能力には違いあるように描かれていると感じました。

また、後半のクランバトルで閃光弾によって視界を奪われたマチュを精神感応で救い出すのを見ると、ニュータイプの能力の本質は視覚的なものではないことを暗に示しているとも捉えられそうです。

そして、シュウジが赤いガンダムに加え、頭に乗せているコンチと話しているような描写があったことです。

劇場版の記事ではサイコフレーム的なものと絡めて考えていましたが、今思うとシュウジはマシンと意思疎通ができるようにも解釈できます。

これが何を意味するかはまだ何ともいえないですが、サイコミュやバイオセンサーといった『ガンダム』シリーズに出てくるさまざまなアイテムは、ある意味「マシンとの対話」という文脈とも紐づけられます。

個人的にはここも、今後のとっかかりなりそうな予感がしますね。

ところで、出会ったばかりながらもマチュはシュウジが赤いガンダムのパイロットと見抜き、クランバトルに誘うなど、積極的に距離を縮めています。

「キラキラ」に焦がれてやまないマチュにとってシュウジは、さしずめアムロにとってのララァ・スン(あるいはその逆)なのでしょう。

つまりニュータイプ的な能力を最大限に覚醒させられる最高のパートナーというわけです。

一方、個人的にシュウジが隠れ家だけでなく、コロニーの外壁や下水道にまでグラフィティアートを描いていたのは少し怖かったんですよね…。

なんていうか、憑りつかれているような感じがして…。

また、マチュは「キラキラ」を自由を感じさせる一種の現象のようにとらえていましたが、シュウジは「キラキラ」を奥行のある「向こう側」と表現しています。

基本的にこの記事は劇場版の記事で書いた「シュウジ=並行世界から来た人物」という仮説を継承しますが、この「キラキラ」に対する両者の捉え方の違いが暗示しているな気がしてなりません。

クラバでアマテはマチュとなる

© 創通・サンライズ

さて、ここでは後半のクランバトルの描写について触れていきましょう。

戦争よ再び

© 創通・サンライズ

クランバトルを改めて見てみると、非合法の危険なお遊び…というよりも、それなりのダーティーな「戦争ごっこ」のような印象を受けました。

エアロックの空き時間を気にしたり、偽名を名乗っていたりするだけでなく、ミノフスキー粒子まで散布するところは、普通の危険なお遊びの域を超えている感じがします。

作中ではエグザベ達のセリフにあるように、ミノフスキー粒子を散布する行為は立派な軍事行為であり、戦争行為に等しいと捉えられています。

おまけに今回のマチュとシュウジの相手は元ジオン兵。

いってしまえば、クランバトルは疑似的な戦争行為であり、あの世界において戦争がまだ根付いていることを示していることの証左のように思えます。

ところで、マチュが初陣を飾る間のアンキーの言動は興味深いですね。

オメガサイコミュに興味を示したり、マチュの素質を見抜いたりするだけでなく、シャリアと同じような目線でマチュの戦いを見ているなど、まるでニュータイプやガンダムを知っているような素振りです。

アンキーは『1st』に登場するシャリアの相棒だったシムスという説や、連邦・ジオンの工作員という説があるようですが、個人的には後者…の可能性を見たいところ。

ただ、意味深なセリフを並べているだけで、実は何も知らないという可能性もゼロではないのですが(笑)

マヴの本質

© 創通・サンライズ

さて、改めて劇場版の記事でも触れた「マヴ」について掘り下げてみましょう。

作中の世界に置いて基本戦術として確立されているマヴは、一般的に「ミノフスキー粒子の散布下において、ツーマンセルを組み、相手に攻撃する際に姿をさらすことで失うアドバンテージを互いに補完し合うための戦術」とされています。

しかし、シャリアはあくまでそれは突撃教本に記載されているものとしています。

では、マヴの本質は一体何か。

劇場版の記事では、マヴを「ニュータイプ同士の精神感応を疑似的に再現したもの」と書きましたが、クランバトルでのマチュとシュウジの感応や、シャリアの口ぶりからすると、やはりその路線で捉えるべきなのでしょう。

言い方を少し修正するなら「互いのパイロットが共感によって感覚を拡張させる」というべきでしょうか。

作中で閃光弾によって動けなくなったパートナーを精神感応で救い出し、投げ出されたヒートホークの軌道をすら読み取って相手を誘導する。

つまり、計算された連携でなく、拡張された感覚で互いの精神や状況の変化自体を把握・掌握して対応することがシャリアが理想とするマヴなのでしょう。

なお、「まぶ」という言葉は「間男」や「遊女の情夫」を意味することもあるそうです(最近だと『べらぼう』にも出てきてますね)。

これを意訳すると、「自分が心を許している相手」とも捉えられそうです。

つまり、マヴは「心を許せる相手との対幻想的な世界を実現することで状況を打開する」…なんてロマンチックな捉え方もできそうですね。

宇宙ってきっと自由

© 創通・サンライズ

一度今回のエピソードを振り返りましょう。

第1話のセリフでもあったように、マチュは「自由」に焦がれているような一面がありました。

第3話での描写を見る限り、マチュにとって、その自由を獲得するきっかけとなり得るものが「キラキラ」なのでしょう。

「キラキラ」が先述したように「共感による感覚の拡張」を示すものだとしたら、マチュの自由は「感覚の超越化」であり、身体の制約からも解放されていくような壮大なものと捉えられる可能性があります。

まぁ若干難しい表現を使いましたが、ちゃんと『ガンダム』になぞらえるなら、「宇宙が人間の感覚を拡張させる」という富野由悠季の宇宙世紀サーガに通底している概念を示しているような気がします。

一方で、個人的にまだしっくり来ていないのが、アマテが「マチュ」の名前を使っているということ。

子どものころのあだ名とのことですが、これが彼女においてどういった意味を持つのかが、まだイマイチ固まっていないんですよね…。

単純に考える不在の父に対して求めていた父性をシュウジに見ている…からこそ子どものころのあだ名を使っているといえなくもないですが、これだとあまりにシャアっぽい感じがするので個人的にはないですね(笑)

『ジークアクス』第3話感想

© 創通・サンライズ

シュウジの登場で一気に話に厚みが出た印象です。

というか、劇場版の細かいところ結構見落としていたことに気づき反省…。

まぁ1回しか見られなかったので仕方ないですよね(笑)!

さて、次回は劇場版では描かれなかった新たなエピソードが始まるとのこと。

新キャラも出てくるので、いろいろ注目ですね。

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