【アニメ豆知識】教皇って何者?教皇選挙コンクラーベについても解説

アニメ入門

 ファンタジーアニメを見ていると、必ずと言っていいほど登場するのが教会
 様々な宗教の教会というだけでなく、神聖魔法や回復魔法をかけてくれる施設などアニメによって役割はバラバラ。
 ですが、教会のトップはどのアニメでもほとんど同じような名前になっています。
 それが教皇

 アニメに登場する教皇のモデルとなっているのが、キリスト教(カトリック)のローマ教皇です。
 世界史の授業でも登場し、世界中に影響を与える存在ですが、宗教に詳しくない人からしたら教皇とは何者かいまいちわかりませんよね。

 そこで、この記事ではローマカトリックの頂点にいるローマ教皇について解説していきます。

キリスト教の中のカトリック

 教皇について話す前に、そもそもキリスト教について知ってもらわなければなりません。
 なぜなら、ローマ教皇がキリスト教全体の頂点ではなくローマカトリックの頂点だから。

 キリスト教には、様々な宗派がありますが、代表的なところで3つ。

  • カトリック
  • 正教会
  • プロテスタント

 この3つの違いを説明するには、キリスト教の歴史を見ていくのが早いので、ざっくりキリスト教史を解説していきます。

キリスト教の歴史

 イエスによって誕生したキリスト教は、一度は弾圧の他称にされていましたが、国教化によってローマ帝国内に浸透し、国内に多くの教会が建てられました。
 その代表的な教会が、西ローマ帝国の首都ローマと東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルでした。
 ローマ教会にいるのが教皇となり、コンスタンティノープル教会には総主教がいました。

 そして、この2つの教会がとある考えの違いから分裂することに。
 その考えというのが、偶像崇拝をしていいのか。

 コンスタンティノープル教会は偶像崇拝を禁じており、ローマ教会は偶像崇拝を容認しています。
 その他にもきっかけはありますが、結果として双方の教会で破門し合って分裂。
 以降、コンスタンティノープル系のキリスト教を正教会と呼び、ローマ系をカトリックと呼びます。
相互破門は後に解除されています。

 その後は、西欧を中心にカトリックが広まっていましたが、ルターらによる宗教改革が起きるとさらに宗派が生まれていきました。
 新たに生まれたキリスト教をプロテスタントと呼びます。
 プロテスタントという特定の宗派があるわけではないので、トップとなる存在はいません、

 以上が3つのキリスト教が生まれた流れとなります。

3つのキリスト教の違い
  • カトリック
    教皇をトップとする古くからあるキリスト教
  • プロテスタント
    権力を持ちすぎた教会に反抗して生まれた新しいキリスト教
  • 正教会
    東方で広まった総主教を中心としたキリスト教

教皇とは――カトリックのピラミッドの頂点にいる存在

 ローマ教皇は、バチカンを拠点とするカトリックの頂点にいる聖職者です。
 イエスの代理者や使徒(イエスの弟子)ペテロの後継者とされており、世界中のカトリック教会を代表する存在です。

 カトリック教会の聖職者には様々な階級がありピラミッド構造となっています。
 その頂点にいるのが教皇なのですが、そのほかにもこんなにも階級あります。

階級説明
教皇(ローマ教皇)全カトリック教会の最高指導者
枢機卿教皇選出権があり、バチカンの要職を担う
大司教・総大司教大都市や重要教区を監督
司教教区の長であり、複数の教会を監督
司祭個々の教会を担当し、ミサや秘跡を執行
助祭司祭の補佐として、洗礼など一部の秘跡を担当
修道士聖職者ではないが、修道生活を通して宗教に奉仕
信徒一般の信者、信仰生活を実践する人々

 キリスト教の中でもトップの信者数を誇るカトリックは、このような様々な聖職者や信者がいるのです。
カトリックの国内信者数41万人以上。世界では14億人以上となっています。

教皇の役割

 ローマ教皇がカトリックの頂点に利ることは分かったけど、具体的にどんなことをしているのか。
 それは、大きく分けて2つのことをしています。

①カトリックの象徴・教皇庁のトップ

 まずは、カトリックという宗教のトップとしての役割。
 世界各地にあるカトリック教会の統括や枢機卿の任命など宗教行為を取り仕切っています。

 過去のは、自分勝手にふるまう皇帝や国王を破門にして、ヨーロッパの国家元首以上の権力を持っていたこともあります。

②バチカン市国の国家元首

 こちらは、政治的なトップ。
 教皇庁がある都市国家バチカン市国の国家元首としての役割も果たしています。

 かつては広大な教皇領を持っていましたが、それでも約600人の人口を抱える国の元首を務めています。

教皇選挙――コンクラーベとは

 ここまで、ローマ教皇やキリスト教について見てきましたが、最後に教皇がどのように選ばれるのか見ていきましょう。

 結論から言うと、教皇に次ぐ地位にいる枢機卿と呼ばれる聖職者たちの選挙――コンクラーベによって決められます。

枢機卿とは

 カトリック教会において教皇の補佐役を務める高官。
 教皇によって任命され、任期は原則終身。

 教皇の代替わりの際に、80歳未満の枢機卿がバチカンに集まって秘密選挙をするという形となっています。
 この方法が確立したのは、20世紀ごろのパウロ6世のときの大改革。この改革によってコンクラーベのおおよその形が定まってきました。

 25年5月に行われたコンクラーベでは、ミサの後に選挙権を持つ枢機卿(80歳未満の元気な枢機卿)がシスティーナ礼拝堂に籠り秘密選挙を行い、得票数が全体の3分の2以上になるまで4回の投票が行われました。

まとめ

 アニメでは強大な権力を持った悪役として書かれるっことが多いですが、現在のローマ教皇は影響良くはあるものの国や一般人に対する生殺与奪権はなく、比較的優しい人物が多いです。
 ただ、過去には国王を後退させたり国の方針を変えさせるほどの力を持った教皇がいたことも事実です。

 教皇についての基礎知識はこれくらいでいいでしょう。
 このブログでは、時々このような基礎知識に関する記事も書いていますが、主にはアニメ解説やおすすめアニメの紹介をしています。
 よろしければ他の記事も読んでいってください。

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